代謝物の構造情報や、酵素の活性情報をDNA配列へエンコーディングする技術開発を進めています。本技術を駆使し、単一細胞内における代謝の包括的な解析を可能にする革新的な手法を探求しています。

私たちの体には多数の生体分子が存在し、それらの量が精密に制御されることで生命機能が維持されています。しかし、生体分子の量的バランスが崩れると、それは疾病として現れます。このため、疾病診断の観点から、生体分子解析技術の確立は極めて重要となります。

このような背景のもと、これまでは個別の生体分子を検出する分子プローブ解析が主流でした。我々は、DNAを基盤とする分子センサーを開発し、『個別の解析』から『多様な生体分子の一斉解析』への展開を図ることで、次世代の生体分子解析技術の確立を目指しています。

例えば、標的分子と反応した生成物DNAを一斉に回収する方法論を構築し、複数の生体分子を同時に解析できる可能性を見出しました(Chem. Commun. 2024)。

現在、我々は、DNAエンコードの対象分子の種類を拡張するとともに、エンコードした配列を迅速・簡便に読み出す方法論を確立し、シングルセル解析への応用を目指しています。

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2021年-2022年 科研費若手研究