菅原・大西記念癌治療増感シンポジウムは第25回目を迎えることとなりました。伝統ある本シンポジウムの四半世紀という節目の大会において、大会長を務めさせて頂き、大変光栄に存じます。 私は2003年2月、恩師である京都大学西本清一先生にお誘い頂き、雪の奈良で開催された本シンポジウムに初めて参加させて頂きました。当時大学助手になりたての駆け出しであった私は、放射線医学・生物学・物理学・薬学・化学の世界的権威の先生方のお話をワクワクしながら拝聴させて頂きました。以来20年以上、本シンポジウムに参加させて頂き、ご参加の先生方より薫育を授かっております。今回この第25回シンポジウムを、先生方への感謝とともに務めさせて頂きます。
今年のテーマは、第25回目のシンポジウムということから「がん治療増感研究四半世紀 ―次の25年を考える―」とさせて頂きました。近年、医療技術の急速な発展から、がん治療法・診断法に飛躍的な変化が生じつつあります。AIの登場と情報科学の活用も大きな影響を与えております。また、新しいがん治療・診断を確立するためには、本シンポジウムが広く掲げております異分野融合と新しいイノベーションが不可欠です。今回のシンポジウムでは、「次の25年を考える」という副題から、できるだけ若い新進気鋭の先生方に幅広い学術分野のご講演をお願いしたいと考えております。京都大学原田浩先生にプログラム委員長をご快諾頂き、先生とより内容の深いプログラムとなるよう現在検討を進めております。なお、この第25回大会の特別講演には、東京大学山東信介先生と群馬大学吉原利忠先生にご講演をお願い致しました。先生方は、化学と生物学の境界領域であるケミカルバイオロジーの最先端研究を進めておられます。今回は、最新技術を活用したがん低酸素細胞の新たな画像診断法に関するお話を頂戴したいと考えております。
今回の第25回シンポジウムは、昨年度の東京から神奈川県相模原市に会場を移し、開催させて頂きます。相模原市は、JAXAをはじめとする先進的な研究機関や大学が集まる、学術的にも非常に魅力的な街です。一方、少し足を伸ばすと山々や湖といった豊かな自然が広がります。多様なバックグラウンドをお持ちの先生方をお招きし、がん治療増感研究に関する活発な議論・討論を深めるとともに、相模原を皆様にお楽しみ頂きたいと考えております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
令和6年11月 第25回菅原・大西記念癌治療増感シンポジウム大会長 青山学院大学理工学部 田邉一仁